21世紀の1stとして作られた本作。
「ガンダム」として見るかどうかでこの作品の評価は変わると思います。
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今回はガンダムSEEDの概略を解説します(HDリマスター準拠です)。
エピソード戦略
ナチュラルを代表する地球連合軍と遺伝子改造種のコーディネイターを代表する宇宙のザフト軍との戦争に巻き込まれます。
章立て表です。
場所ごとに分けると緩い対称構造になります。
やや強引にまとめると対称構造二つ並べた二部構成になっています。
前半では逃げること、戦いなど目の前のことで精一杯ですが、
後半ではなぜ戦うのか、これからどうすべきかといった俯瞰的な内容になっています。
青の部分がミクロ的な内容、緑の部分がマクロ的な内容です。
前半にミクロ的な内容が、後半にはマクロ的な内容が集中しています。
このように戦略的なエピソード配置がされています。
つまり、だんだんマクロ的視点になってゆく物語です。
キャラクター戦略
当然ですがキラとアスラン。ラクスとカガリは対になっています。
この戦争では地球連合軍、プラント、オーブの3つの陣営があります。
カガリは、ウズミの義娘ですし、
キラはアズラエルの息子ではありませんが、共通点があります。
アズラエルは、コーディネイターにコンプレックスを抱いていました。
拗らせすぎて、親に何でコーディネイターにしてくれなかったのと言いました。
一方、キラはコーディネイターで才能に恵まれてるが故に苦しみました。
苦しみすぎて、親に何で僕をコーディネイターにしたの?と言いそうになりました。
つまり、アズラエルはコーディネイターになりたかったキラ・ヤマトとも言えます。
主要人物の四人は各陣営の象徴でもあるのです。
最初、キラもアスランも目の前の任務で精一杯でした。逃げること。捕まえること。殺すこと。
その結果、お互いに大切な友人を殺し、
最後は憎しみによる殺し合いに発展しました。酷い結末です。
当然、カガリはブチギレます。
「殺されたから殺して…殺したから殺されて…それで最後は本当に平和になるのかよ!」
その後、キラはプラントに移ります。
ここまでで、地球連合軍、オーブ、プラントの三つの陣営を渡り歩きました。
そこで、これから何をすべきなのかを考えます。
キラはミクロに見るのではなく、マクロに俯瞰的に見る目を持ちます。成長しています。
アスランも同様に、プラント、オーブ、マリューやムウのいる地球連合軍(厳密には違いますが)の三つの陣営を渡り歩きます。そして、キラと同様に物事を俯瞰的に見てこの戦争を止めることにします。
終末戦争
主人公の乗っていた艦はなんとか本部に着きます。
次の作戦で本部の防衛を任されます。
基地には時限爆弾(正確には巨大電子レンジ)が仕掛けられていました。
もちろん主人公の乗っていた艦含め、防衛の人達には秘密です。
要するに囮になって死んでくれ。ということです。エグいです。
ちなみに囮にした理由は嫌いなコーディネイターと一緒にいたから。それだけです。
サザーランド。あなたは駄々をこねる子供ですか。
軍の命令に従った結果、主人公達の艦は切り捨てられます。ひどい仕打ちです。
別にこれは地球連合軍だけの問題ではありません。プラントでも同じです。
「アスランが信じて戦うものは何ですか?戴いた勲章ですか?お父様の命令ですか?」
「敵だというのなら、私を討ちますか?”ザフトの” アスラン・ザラ!」
オーブは中立国です。どっちつかずのコウモリ国ですが、最も冷静に状況が見えています。
このままではマズイだろうと。人類滅亡まで待ったなしだと。
そこで、最悪の事態を避けるため、人種や国家の枠を超えて戦争を止めるために奔走します。
しかし、そううまくは行きません。
連合やプラントに比べて、戦力も数も圧倒的に劣っているからです。
とうとう連合は大量の核ミサイルを撃ち、
プラントは地球の全生物(全人類ではありません)の半数を殺害するジェネシスを撃ちます。
泥沼の地獄絵図に発展します。
主人公達の活躍により、かろうじて人類滅亡の危機も、戦争も止めることはできました。
しかし、失ったものが双方大きすぎます。
物語の始め、戦争に巻き込まれてしまったキラは、ガンダムを中心に双子のカガリと友人のアスランと別れてしまいました。
物語のラストではガンダムに乗ったアスランとカガリが、キラを迎えに行きます。
守りたい世界はまだありました。微かですが希望はあります。
続編のDESTINYでは、世界の覇権争いを
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映画のFREEDOMでは下のような考えに基づいた遺伝子管理社会を取り上げています。
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現在、どれも見られるべき作品だと思います。
ガンダムSEEDに限らず、多くの名作は重層的な構造を持ちます。
SEEDでは6つ確認できましたが、これ以上の読み解きは中止します。
あとは読者の皆様のご想像にお任せします。