主に原作漫画の紹介です。続編の新ルパン三世は扱いません。
kindle unlimitedで配信されています。
読んだ感想ですが、正直言ってあんまり面白くないです。
よほどのマニアならともかく一般の人が見る必要はありません。
理由としては
1.読みづらい
95話から改善されますが、初期は非常に読みづらいです。
何が起こってるか分かりにくいです。頭を使う必要があります。
2.人物描写の尺不足
連載の都合上、ページ数が限られているせいか人物描写がアニメと比べて希薄です。あっさりしすぎて感情移入できません。
3.原作の面白いエピソードがほぼアニメ化されている
エピソード表です。
ほとんどがアニメ化されています。
当時の漫画としては斬新で面白かったのでしょうが、現在はアニメの視聴で十分です。
面白い話が皆無ではありませんが、無理に全部見る必要はありません。
漫画限定で面白いと感じた話は全部で20話程度です。
その20話のためだけに買うとなると。。。。。悩みどころです。
それでも興味のある方は傑作集から
https://www.amazon.co.jp/ルパン三世傑作集-アクションコミックス-モンキー・パンチ/dp/4575945552
https://www.amazon.co.jp/新ルパン三世-ルパン一家勢揃い-双葉文庫-3-19-名作シリーズ/dp/4575721026
どこからでも入れるのがルパンのいいところなので。
余談ですが、中公文庫版では96話から106話まで収録していないので注意してください。
キャラ描写
ルパンは原作では極悪非道と言われますが、実はテレビとそこまで大きくは変わりません。
ただTVより敵に対して容赦しないだけです。男も女も関係なく。
銭形と次元もそこまで大きく変わりません。
原作とTVで設定が大きく違うのは五ヱ門と不二子です。
下の記事の方が詳しいですが、原作の五ヱ門は優男です。TVと全然違います。
TVの元になったのは原作5話に登場する殺し屋 古郎志先生です。
不二子はルパンの邪魔をする女という役柄です。前の話ではスパイ、次は女刑事と話によって設定がコロコロ変わります。
つまり、原作の「峰不二子」は同一人物ではなく裏社会の女性のコードネームみたいなものです。
原案
原作の最大の美点はトリックとキャラクター造形です。
様々なトリックで驚かせてくれます。エンターテイメント性に富んでいます。
原作というより原案として見ると非常に出来が良いです。
実際、原作の第2話「脱獄」と第12話「王手飛車取り」が
1stの第4話「脱獄のチャンスは一度」になり、
原作の第7話「魔術師」が
1stの第2話「魔術師と呼ばれた男」になり
第96話〜第99話の賊族島、国際競盗大会が
1stの第20話「ニセルパンを捕えろ！」になりました。
2ndでは主に続編の新ルパン三世が原案になっています。
名エピソード集
傑作選でも十分ですが個人的に面白かったエピソードをいくつか。
第5話 サスペンス・ゾーン
原作ルパンの魅力が詰まった名エピソードです。男爵先生の暗殺を古郎志先生に依頼しますが。。。
のちに小説化もされました。
第45話 男の中の女の顔
金塊を盗んだ女を捕まえようとしますが、女の姿がどこにもいません。
ルパン曰く女の匂いがするのですが。。。
第72話 第一人称
この話も漫画ルパンの醍醐味を味わえます。アニメの20分の尺じゃ難しいと思います。
主人公は読者で、ルパンを捕まえようとしますが。。。
TVとの関連
原作や1stでは単にルパン帝国と警察の対立という構造でしたが、
2ndではfufufufujitaniさんの指摘通り、世界を旅する西遊記のキャラクター配置がされています。
このキャラクター配置がルパン三世を普遍的な存在にさせたと思います。
原作続編の新ルパン三世でも2nd以降のシリーズでもこのキャラ配置がベースになりました。
内面と外面
ルパン三世は盗賊として自身と向き合う内面の物語か
世界漫遊家として世界を旅する外面の物語の2つがあります。
内面よりなのは、原作漫画、1st、ワルサーP38、ファーストコンタクト。
外面よりなのは、2nd、燃えよ斬鉄剣、お宝返却大作戦。
内面と外面を両立させたのは複製人間、カリオストロの城、DEAD or ALIVE辺りでしょうか。
最近のTVシリーズは内面よりの印象です。
内面よりの傾向はルパン以外の作品でも同様ですね。
